月曜日, 11月 19, 2012

目黒雅叙園の百段階段をかざる假屋崎省吾展

秋晴れのおだやかな休日。目黒雅叙園の百段階段で開かれた假屋崎省吾の花の展示会に行って来た。


東京都の有形文化財にも指定される目黒雅叙園の百段階段。

目黒駅から下る急な坂沿いに建てられた建物内に99段の木製の階段を設置し、その階段に沿っていくつかの和室が配置される。かつては、料亭として使われていたが今は、文化財として公開されている。部屋はどれも和風だが、それぞれ独特な装飾様式と技巧で飾られる。日本の工芸の匠さと美しさに感動せずにはいられない。

今回、この空間に色を添えるのは假屋崎省吾の花。


様々な花と素材を組み合わせた展示物。大きく羽をのばしたように広がる枝に、美しい花の彩りが空間に華やかさと緊張感が漂う。と歩を進めると、こじんまりと慎ましくを整えた小宇宙へ。

百段階段の豪華な和室。添えられた花の大胆さに、感じる贅沢感。

さらに進むと、美しい花の背後に美しい着物がアンサンブルであわせられている。

広げた布地の美しい紋様に、ふと、ウィンドサーフィンのセイルの柄ような華やかさが思い出される。
思わず窓の外へ目を移すと、小春日和の秋のひだまりに紅葉がゆれる。いい風だ。海はウィンドサーフィン日和かな?

などとふっと現世から放たれて・・・
そして舞い戻る。

99段の階段をのぼりきり、そして下る。どこか遠くに行ってきたような・・・。

展示会をでると、日々の都会の雑踏。ああそだ、あれをやらなきゃ、ここれをやらきゃ。

秋の日の花と戯れ、時を忘れる