土曜日, 12月 05, 2009

テクニック--- ウォータースタートの基本

ウォータースタートができると、ウィンドサーフィンの楽しみ方がまたひとつ広がる。

いや、ショートボードに乗り始めたら、できるだけ早く身につけたい技術だ。強風時や海面が荒れている時は、浮力の小さなショートボードでセールアップするのはとても困難だ。

必須の技術ともいえる。

そして、奥が深い。海でチンする時、ウォータースタートしやすい体制で落ちれればいいが、たいていの場合そんな余裕はない。チンした時の状態は、様々なケースが考えられ、それにどのように対応するかあらかじめ手段を持っておく必要がある。

一度覚えても、暫く、ウィンドサーフィンしないと、すぐ忘れてしまうので、知識として整理しておこう。

ウォータースタートをマスターしていくための技術を2回にわけて記述してみる。

下記と合わせてよむと理解が進みやすいと思われる。
http://www.boardseekermag.com/technique/intermediate/water_start/water-start.html


基礎的技術
  • ビーチスタート・・・これができなければ、ウォータースタートはできない。このブログでも、ビーチスタートのテクニックを紹介している。
  • 膝を深く曲げて腰を落としてセーリング・・・ブームにぶら下がって体重を下にかけて、セイルを引き込みながらセイリングできること。
  • 片手でリグを操作・・・・波打ち際で、風上側にたって片手でマストをもって海面にほぼ水平にセイルをたなびかせること。セイリングの最中に、マスト手を離してセイル手(ブーム手=後ろの手)だけで走ること。
  • 立ち泳ぎ・・・・ 海面で沈まないように、足を漕ぎます。バタ足になったり、カエル足になったり、手段は様々。ライフジャケットを着ていると、自然に浮くので助かります。
【練習方法】
  • ビーチスタートの成功率を上げて、徐々に水深の深いところに挑戦していきます。腰深さ、胸くらいの深さ、背のたたないところ、と段階づけて練習します。
  • リグの操作に習熟します。波打ち際で風上にたって、セールを持って海面に水平にたなびかせます。マストフット側の手だけで、そのような状態がキープ でき、また若干上下させてバランスをとることができるか確認します。そして、その手でブームを引き上げるとともに、セールの下に回り込んで、ブームを伸ばした両手でつかんで、頭の上でセイルを操作します。ボードの向きをコントロールできること、セイルの開閉やベア・ラフの操作で風を逃がしたりつかんだりすることができること。
  • 風の力を利用します。初心者は、段によじのぼるというイメージでビーチスタートをしている人も多いですが、そのイメージでは腰深さくらいのところで挫折します。風に体を引き上げてもらうという感覚をつかみます。そのためにリグ操作が大事です。
【基本】
  • 行きたい方向を見る。ウォータースタートで体を上げて走りだすまでは、マストフットを見る。
  • 手を伸ばして体をリグからはなす。風に体を引き上げてもらうためには、十分にテコの効果が働かなければならないので、両手はばんざいするように十分に伸ばして肩幅に広げてブームをつかみ、ブームの下にぶらさがるような格好になります。
  • ボードに乗りあがったら、足の開閉でのボードの向きをコントロールし、腕を押しひきしてセイルの開閉やベア・ラフをコントロールします。
【重要な操作】
  • 水抜き・・・水からセイルを抜いて、浮かせます。
  • ボードの向きの調整・・・浮いたセイルを両手で開閉して、ボードをアビーム方向に向けます。
  • ボードに上がって走り出す・・・セイルに風を入れてその力で、水から体を引き上げて、走り出す体制を作ります。

【スタンダードなウォータースタート】
  • ボードの向きはアビームから風上の向きで、セイルに対してマストが風上側にあり、またマストは風に対して直角となっていることを確認する。
  • セイルを水面から揚げる(水抜きする)。いくつか方法がありますが、マストの風上側に体をおいて、風下側をむき、マストのブーム上50-80cmくらいのところを両手で持って、マストの下に風を入れて少し、風上側に立ち泳ぎすると、セイルと水面の間に風が入って、リグ全体が浮きます。(最初のころ難しいと感じるかもしれません。ボードをかなり強くアビームに向けて、セイルのブームをボードのテイルに乗っけてセイルを浮かせるという方法もあります。テイルの短いボードの場合、ブームがのっからないので、フットストラップを風上側の手でつかんで、その上にブームをのっけてセイルを浮かせるという方法もあります)
  • セイルに風を入れた状態で、風上側の手でマストをもって、頭上を風上側にリグを引き、浮いたセイルのブームを後ろの手でつかむ。
  • マスト手をブームに移し替えて、立ち泳ぎしながら腕を伸ばしながらマストトップを風上に回してくると、セイルは風を受けてボードがベアする。また、体がボードの後ろ側によってくる。
  • 風が強いときは、セイルの高さは低くボードは風上側に向ける。風が弱いときは、セイルを高くあげて、ボードはベアさせて風下側を向ける。
  • マスト手をいっぱいに伸ばして、セイルに風を入れながら、後ろ足をボードに載せる。ストラップの間くらいのところに、風下を向いている後ろ足はかかとを下にしてつま先は天を向く。前足は前に向かって立ち泳ぎを続けている。体は、ボードの後ろの方にあるが、ボードより風上側だ。
  • 後ろ足を曲げて、ボードを体に寄せるとともに、マスト手を伸ばしてマストを押し出して、セイル手を引いて風を入れる。目線はマストフットをみている。後ろ足でボードを引きつけて、ブームの下に頭を入れるようにしてブームぶら下がってられるような感じ。前足は立ち泳ぎを続けているが、上方への移動を助けるよう勢いよく動かす。体があがったら最後に前足がボードにのっかることになる。なお、上がる時は後ろ足は十分に曲げて自分の体の下にあるよう字注意する。
  • ボードに乗ったら腰を低くして、バランスをとる。この時ボードがラフしたら、前足で押してベアさせる。
  • 風が強すぎるときは、ベアを長く続けるととばされてしまうので、セイルを開く。だが、この時にボードがラフしているとやはりチンしてしまうので、ボードの向きを正しくアビームに向けることと、セイルの開閉のタイミングが風の強弱とともに十分にバランスがとれている必要がある。
注意
  • 体を道具の風下にはおかない。常に道具の風上側で操作する。でないと道具が飛んできて大けがをすることがある。基本的にウィンドサーフィンというスポーツは、道具の風上側にたって道具を操作するようになっている。