タックは風上側に曲がるためにスピードを殺して方向転換するのに対して、ジャイブは風下に向けて加速するのでドライブ感がありかっこいい。私の周りのウィンドサーファーでも圧倒的にジャイブがうまくなりたいという声が強い。
だが、タックにはそれなりの良さがある。
微風でも強風でも風上に進むことができるので、プレーニングやジャイブを試す機会を増やすことができる。
タックの成功率をあげることは大事だ。
ショートボードでスピードに乗った状態で行うカーブタックのエッセンスを、書き留めておこう。ショートボードでは、浮力が無いのでバランスを崩して沈をしてしまう。ハイスピードのままターンに入り、クイックな乗り移りを心がける必要がある。
技術的には「微風のタック」の延長上にあるので、浮力の大きなボードでまず「微風のタック」を練習するのが良いのだろう。
また、ついつい忘れてしまいがちで重要なことがある。
- 進行方向を見ること。
- リグと自分の間は常に十分な懐を持つこと。
以下に動きを記載する。ついつい忘れて、チンしてしまうことの多い私自身への自戒をこめて。
動作の流れ
1.準備・・・タックに入るときは、フックははずして、ボードの先端が風のくる方向をむくようになるまで風上側にボードを旋回させる。
- プレーニングしながら、風上を見てタックしやすい平水面を見定める。
- リグを後ろに傾けて、自分自身の体は前に移動しはじめる。後ろ足に荷重してレールを入れ、ボードをラフさせていく。(うしろあしはフットストラップからは抜いておいたほうが操作しやすい。)
- 前の手はマストに持ち替え抑え、ブームエンドがボードのセンターラインを越えるまでセイルを大きく引き込み、フックを外す。
- レイルを蹴りこむときに後ろ足にあった重心は、次の瞬間にはステップする前足近くに移動し、前のストラップあたりに後ろ足をおいて、前足もステップしてマストフットのジョイントを包み込むようにおく。
- リグを後ろに引きこみ続けて、体は低く保ち前に出す。
- 前方かつ風上側をみて、風に顔を向けていく。
- 前腕は伸ばして、リグとの懐を十分にキープ する。
- 乗り移りのタイミングはノーズが風軸をむく瞬間かその直前。つまり進行方向を見ている顔に正面から風を受ける瞬間かその直前。それより遅いと乗り移れない。
- また、ボードが走り続けていないとバランスは保てない。
- 重心を低く保ちながらマストの前を回り込んで乗り移り始める。
- まず、後ろのブーム手を放して、その手で逆側のブームをつかむ。後ろ足をマストフットにおいて、体の回転の支点を支える。最初にマストフットにあった前足は、ボードの反対側の前ストラップくらいの位置までもっていく。
- ここで前方を見る。これはとても重要で、口火をきる。後足がボードの十分後ろにあるか再度確認。
- リグとの間の懐を保ち、リグは引き込んで前に倒し、体は後ろに低く保つ。前足でボードを押し出し、風から離れるようにする。
3.走り出し・・・タックから走り出すときは、 風下側にボードを旋回させて新しい方向に走り出す準備をすること。
- 両手でブームにぶらさがり体重をかけて、セイルを引き込みながら進行方向に押し出し、両足を屈曲させて、前足を押し出して後ろ足は引き込んでベアする。
- リグの開閉、両足の押しひきでボードをコントロールして走りだす。
4.タイミングがずれた時のリカバリー・・・早すぎるタイミングでの乗り移ってしまった時は、セイルに裏風を入れることでリカバリーする。
- 途中で早すぎるタイミングだと思っても、乗り移りのアクションは終わらせる。まだ、ボードのノーズは風軸をむいていなくても、スピードが持続しているので、裏風をとって走り続けられる。
- 裏風をとって走る時は、少しセイルに体を預けていないと裏風に押し倒されてしまう。
- 裏風を受けているセイルをブーム手でおすと、セールが風を受ける反動でてい向きを変え、不足していた回転が補える。
- ボードが風軸を十分に超えたら、セイルを押した反動で、ブームに体を預けながらセイルを大きく引き込む。同時に前足でノーズを押してベアさせる。